今回は上記の疑問に対し、実際にウルトラとウルトラツアーを打った経験をもとに答えていきます。
本記事の内容
- ウルトラとウルトラツアーの違いを解説
- 名前とデザインが似ている理由を解説
- 各モデルの使用感やおすすめの選び方を解説
☑筆者情報
- テニス歴20年以上
- ラケット試打数&購入数合計180本以上
- ガットインプレ数100種以上
- 週末プレイヤー
- ツイッター(@tennis_torasan)
結論は以下の通りです↓
ウルトラは「ガットのたわみやすさ」と「面の安定性」が特徴的
ウルトラツアーはトップヘビー系特有の遠心力を利かせた「ハードヒットのしやすさ」と「バウンド後のボールのノビ」が特徴的
コンセプト的にはウルトラが「ボレーヤー」向け、ウルトラツアーが「ストローカー」向け
ガットのたわみを生む「クラッシュゾーン」というパーツを両方とも使用している
この記事を読むことでウルトラとウルトラツアーの違いがハッキリとわかり、さらにプレースタイルに合った好みのラケットを選べるようになるので、興味のある方はご覧ください。
では、早速解説していきます。
5分位で読み終わるよ~。
Contents
ウィルソン ウルトラとウルトラツアーの違いを徹底解説 2022 2023 V4.0
ウルトラとウルトラツアーの違いと共通点は以下の通りです↓
★違い
スペック
フレーム形状
設計のコンセプト
★共通点
クラッシュゾーンの使用
デザイン
スペックが全然違う
まずウルトラとウルトラツアーはスペックが全然違います。
ウルトラツアー 95 CV⇒95インチ/309g/バランス325㎜
ウルトラツアー 95J CV⇒95インチ/290g/バランス340㎜
ウルトラツアー 100 CV⇒100インチ/293g/バランス330㎜
ウルトラは標準的なスペック。
一方、ウルトラツアーは面が小さかったり、重さが独特だったり、バランスポイント(重心)がラケットヘッド寄りのトップヘビー系です。
さらにウルトラツアーの3本は標準よりラケットの全長が0.25インチ長い。
長くてトップヘビー系なので、遠心力を利かせたハードヒットがしやすい設計となっています。
ウルトラツアーは世界で戦う日本選手が体格の良い海外の選手に打ち負けないようにウィルソンが開発した日本人向けスペック。
╲詳細レビュー記事はコチラ/
フレーム形状も違う
ウルトラは割と丸みを帯びたフレーム形状。
フレーム厚も24-26.5-24㎜とかなり厚く、屈強な見た目をしています。
打ち負けない面の安定性を生み出す強固な作り。
一方、ウルトラツアーはだいぶ縦長のフレーム形状。
フレーム厚は22㎜で、ウルトラよりだいぶ薄い設計です。
縦長のフレームは振り抜きの良さを感じやすい。
設計のコンセプト:ウルトラ⇒たわみ&面の安定性、ウルトラツアー:バウンド後のボールのノビ&パワー
ウルトラはガットのたわむ柔らかさとホールド感、打ち負けない面の安定性、ボレーのしやすさをコンセプトに作られています。
一方、ウルトラツアーはトップヘビー特有の遠心力を利かせたハードヒットによるバウンド後のボールのノビとパワーを求めた設計です。
ウルトラはボレー、ウルトラツアーはストロークに重点を置いたラケット。
名前とデザインが似ている理由を解説
ここまで書いてきた通り、ウルトラとウルトラツアーはスペックもコンセプトも全くの別物。
しかし、2つのシリーズには共通してガットのたわみを大きくするパーツである「クラッシュゾーン」がフレームの5時7時部分に搭載されています。
クラッシュゾーン↓
バーンにクラッシュゾーンが搭載されたことでウルトラツアーが誕生
クラッシュゾーンは元々ウィルソンのウルトラシリーズのみに搭載されていました。
ボールヒット時に潰れやすい構造をしていて、その潰れによってガットがたわみやすくなり、柔らかさとホールド感を生み出す働きがあります。
ウルトラのメインテクノロジー。
そのクラッシュゾーンが、2019年頃に「バーン」というストローカー向けのシリーズに搭載されたことで、「ウルトラツアー」というシリーズが誕生しました。
ウィルソンはクラッシュゾーンがあるラケットには「ウルトラ」という名前をつけたかったらしく、従来のウルトラと区別するために「ウルトラツアー」という名前になりました。
バーン+クラッシュゾーン=ウルトラツアーシリーズ。
選手の要望にてバーンとクラッシュゾーンが合体
動画の冒頭部分でウィルソンの広報担当の方がしっかり解説しているように、バーンとクラッシュゾーンの合体は選手の要望だそうです。
ずっとバーンシリーズを使っていた選手が、2019年時にさらなる「バウンド後のボールのノビ」と「打球感の柔らかさ」をウィルソンに要求。
それから色々テストした結果、面は小さいままで威力とたわみが出るのは「クラッシュゾーンが搭載されたバーン」だということになり、それがウルトラツアーとして完成しました。
面を大きくすればパワーもたわみも出るけど、それだと振り抜きにくいから、受け入れられなかったらしい。
各モデルの使用感とおすすめの選び方を解説
ウルトラ100/100Lとウルトラツアー95/95JP/100の使用感の違いに触れつつ、それぞれの特徴やおすすめの選び方を解説していきます。
ウィルソン ウルトラ100 V4.0
【100インチ/300g/バランス320㎜】
5本の中で最もガットのたわみがわかりやすいウルトラの定番モデル。
強めのホールド感、相手の打球に打ち負けない強固な面の安定性、適度な飛び、高いコントロール性能、ボレーのしやすさも特徴的ですね。
フレーム厚めのラケットにしてはボールが飛びすぎないタイプ。
最強の面の安定性を誇る。
とにかくガットがたわむ柔らかさを堪能したいプレイヤーにおすすめです。
\詳細レビューはこちら/
ウィルソン ウルトラ100L V4.0
【100インチ/280g/バランス320㎜】
ウルトラ100の軽量バージョン。
5本の中で最も操作性に優れた設計のラケットです。
軽くて振りやすく、疲れにくいタイプ。
操作性バツグンのガットのたわみがわかりやすいラケットを使いたい方におすすめです。
\詳細レビューはこちら/
ウィルソン ウルトラツアー 95 CV
【95インチ/309g/バランス325㎜/長さ27.25インチ】
バウンド後のボールのノビが最強クラスの1本。
重い上にトップヘビー系なので使いこなすにはパワーが必要ですが、その代わりに遠心力を利かせたハードヒットがしやすく、強力な打球が飛んでいきます。
面が小さいラケット特有の振り抜きの良さと、クラッシュゾーンによるたわみ&パワーの両方が感じられる。
唯一無二の使用感ではありますが、合う人にはドンピシャのラケットです。
\詳細レビューはこちら/
ウィルソン ウルトラツアー 95J CV
【95インチ/290g/バランス340㎜/長さ27.25インチ】
95の軽量バージョン。
309gの95と比べると少し威力とノビは落ちるものの、軽いので操作性が良く、パワー&コントロールのバランスが良いラケットに仕上がっています。
さすがに309gのトップヘビー系は厳しいという場合は、95JPの方が合うと思う。
操作性の良いトップヘビー系を使いたい方におすすめです。
\詳細レビューはこちら/
ウィルソン ウルトラツアー 100 CV
【100インチ/293g/バランス330㎜/長さ27.25インチ】
ウルトラツアーの100インチバージョン。
95より振り抜きの良さが落ちる代わりに、面が大きくてスイートスポットが広く、また、ガットのたわみ戻りによって打球にパワーが乗るタイプです。
通常のウルトラ100がたわみ感が持ち味なのに対し、ウルトラツアー100は打球の威力とノビが強み。
ストローク時の打球の威力重視ならウルトラ100よりウルトラツアー100の方が合うと思います。
\詳細レビューはこちら/
まとめ:たわみが持ち味のウルトラ、威力とノビが良いウルトラツアー
今回はウィルソンのウルトラとウルトラツアーの2シリーズの違いを解説してきました。
結論は以下の通りです。
ウルトラは「ガットのたわみやすさ」と「面の安定性」が特徴的
ウルトラツアーはトップヘビー系特有の遠心力を利かせた「ハードヒットにしやすさ」と「バウンド後のボールのノビ」が特徴的
コンセプト的にはウルトラがボレーヤー向け、ウルトラツアーがストローカー向け
ガットのたわみを生む「クラッシュゾーン」というパーツを両方とも使用している
名前とデザインは似ていますが、使用感はだいぶ違うシリーズですね。
というわけで、以上です。
ラケットはネットだと人件費や仲介コストが減らせるから、実店舗で買うよりも5000~10000円位安く手に入るよ。
今回解説したテニス用品一覧