
ヘッドのテニスラケットってどういう特徴があるの?
おすすめや選び方などを詳しく知りたい!
今回は上記の疑問を持つ方へ向けて、ヘッド製テニスラケットのラインナップを比較しつつ、おすすめのラケットの選び方を解説していきます。
☑筆者情報
- テニス歴20年
- ラケット試打数&購入数合計130本以上
- ガットインプレ数70種以上
- 週末プレイヤー
- ツイッター(@tennis_torasan)
Contents
【初心者向け】ヘッドの硬式テニスラケットの特徴を徹底比較
ヘッドはウィルソンに次ぐ世界第2位のシェアを誇るオーストリア発のラケットメーカーであり、
といった特徴があります。

6シリーズが展開されている。
シリーズは全部で6種類
シリーズ名 | 代表的な選手&特徴 |
スピード | ジョコビッチ:スピン&コントロール |
エクストリーム | ベレッティーニ:スピン特化 |
プレステージ | チリッチ:フィーリング重視 |
グラビティ | ズベレフ:コントロール特化 |
ラジカル | マレー:オールラウンド、万能 |
ブーン | ムゼッティ:パワー&コントロール |

ヘッドはシリーズごとに細かく強みが分かれているから、自分に合ったモデルをピンポイントで見つけやすい。
それぞれのシリーズについて詳しく見ていきましょう。
スピード:ジョコビッチが使用するヘッドの定番
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スピードシリーズを使用する(したことのある)主なプロテニス選手一覧
☑このシリーズが向いている人
- スピンとコントロールのバランスを重視する中級~中上級者
- スピン系のショットが主な人
スピードはジョコビッチとヘッドが契約した際に生まれた、ラジカルと並ぶ定番シリーズです。(2009年誕生)
ヘッド・スピードの主な特徴
- 高めのスピン性能とコントロール性能
- 柔らかめな打感
- 回転量多めのスピン系ショットが打ちやすい
- イメージカラー:ホワイト
打感が柔らかく、適度なパワー&スピンアシストがある
以前までのスピードは打感が硬くボールが飛びにくいいわゆる競技者向けのラケットでしたが、徐々に使いやすいようシフトしていき、2020年モデルからはかなり一般向けになりました。
強めのスピン性能、柔らかな打感、やや強めのボールの飛びが主な性能なので、比較的ラクに質の良いスピン系ショットが打ちたい方には特におすすめのシリーズです。

ヘッドの主力シリーズ。
人気なのはジョコビッチ使用モデルの「PRO」とヤニック・シナー使用モデルの「MP」。
MPはボールが良く飛び回転も多めにかかる中級者向けラケットで、PROはMPよりも少しパワーを抑えてコントロール性能を上げた中上級者向けの印象です。

スピードMPは数あるラケットの中でも筆者が最も使いやすいと感じた神ラケの一つ。
★MP
★PRO
ジョコビッチが使用する2021年版の数量限定モデル「Black」もあります。
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追記 2022年3月に新作が発売
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2022年3月17日に新作の発売が決定されました。
2020年版との違いは主に以下の2点。
①デザイン
⇒ホワイトとブラックの場所を反転させたカラーに変更
②横に引っ張ると全体が均一に広がり、横に押し込むと全体が縮まる特殊な分子構造”オーセチック”をフレームのヨーク部(5時~7時の間の部分)に採用
⇒ミスヒットした際に本来なら起こるヨーク部の変形具合のばらつきを抑え、飛びや打球感の安定性に繋がる設計に
飛びやスピン性能などはそのままに、ミスヒットした時のラケットのサポート性能が向上し、スイートスポットが広くなったラケットとなっています。
╲詳細レビューはコチラ/
エクストリーム:最強レベルのスピン性能
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エクストリームシリーズを使用する(したことのある)主なプロテニス選手一覧
☑このシリーズが向いている人
ボールに強烈な回転をかけたいプレーヤー
エクストリームはヘッドのスピン特化型シリーズで、打球に強烈な回転がかけやすい仕様となっています。(2007年誕生)

ガスケやベレッティーニなどグリグリスピンを打つ選手に大人気。
ヘッド・エクストリームの主な特徴
- 強めのパワーアシスト
- 柔らかめな打感
- グリグリスピンが打ちやすい
- イメージカラー:イエロー
打球がハネる、落ちる、曲がる!
ガットの目が粗く設計されている関係で引っ掛かり感が強く、ボールに強烈な回転をかけることが可能。
しっかり縦スイングで振り切って打つと打球がハネ、落ち、曲がります。

一般的なラケットでは体感できない位にボールが変化するから楽しい!
グリグリスピンを打って相手を翻弄したい方向けですね。
人気機種は「MP」と「TOUR」です。
MPはエクストリーム最大の持ち味である「強力なスピン性能」を感じられて、TOURはスピン性能を少しコントロール性能に振り分けたタイプです。

グリグリスピナーならMP、強めの回転がかかったショットをコントロールしたいならTOURがそれぞれおすすめ。
★MP
★TOUR
ベレッティーニが使用する数量限定カラー「Nite」もあります。
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インプレ記事はこちら↓
エクストリームPRO(100インチ/315g)
エクストリームMP(100インチ/300g)
エクストリームMP ライト(100インチ/285g)
エクストリームTOUR(98インチ/305g)
エクストリームS(105インチ/275g)
プレステージ:最高レベルのボールコントロール性能と打球感
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プレステージシリーズを使用する(したことのある)主なプロテニス選手一覧
☑このシリーズが向いている人
- パワフルな上級者
- コントロール志向な人
- フラット系のショットが主な人
プレステージはヘッドのテニスラケットの中で最も使用難易度の高い競技者向けのシリーズです。
ヘッド・プレステージの主な特徴
- ボールコントロール性能が最強
- 手に伝わる情報量が多い
- 打ちごたえのある打感
- 回転があまりかからず、フラット系のショットが主体になる
- 重量がある
- イメージカラー:レッド
古き良きクラシカルさが持ち味の薄ラケ
ヘッドの中でも最もクラシカルで伝統のあり、古くからのファンが最も多いシリーズ。(1987年誕生)
フレームの厚さは20㎜~21㎜と非常に薄くパワーアシストは控えめですが、コントロール性能は素晴らしく、手に伝わる情報量が多いのでフィーリングを大事にする人には最適です。

ボールが飛びにくいから使いこなすのは大変だけど、スイートスポットで捉えた時の打球感は至高。
プレステージシリーズの中で最も人気なモデルはフェイスサイズ93インチの「MID」と98インチの「MP」。
振り切りの良さを重視するならMIDが一番ですが、93インチはさすがに小さすぎるという方はMPが良いと思います。

MIDはマリン・チリッチ使用モデル、MPはジル・シモン使用モデル!
最高レベルのコントロール性能を実感できる2本!
★MID
★MP
インプレ記事はこちら↓
追記 2021年11月に新作が発売
The new Prestige in all its beauty. ❤️🖤 Available for demo now. pic.twitter.com/u7QlrY8EoK
— HEAD Tennis (@head_tennis) October 7, 2021
2021年11月に新作が発売されました。
2020年版との違いは主に以下の2点。
①デザイン
⇒レッドカラーからブラックカラーに変更
②横に引っ張ると全体が均一に広がり、横に押し込むと全体が縮まる特殊な分子構造”オーセチック”をフレームのヨーク部(5時~7時の間の部分)に採用
⇒ミスヒットした際に本来なら起こるヨーク部の変形具合のばらつきを抑え、飛びや打球感の安定性に繋がる設計に
スピード2022シリーズと同じくオーセチックが内蔵され、ラケットのサポート性能が向上したラケットとなっています。
テクノロジーや詳細情報、ラインナップは以下記事にまとめています↓

グラビティ:ズベレフが使用する100インチのコントロール系ラケット
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グラビティシリーズを使用する(したことのある)主なプロテニス選手一覧
☑このシリーズが向いている人
- コントロール志向な中上級者~上級者
- フラットドライブ系のショットが主な人
- しなり感が好きな人
グラビティはヘッドがズベレフの要望を叶える形で開発し、2019年に完成したシリーズです。
ヘッド・グラビティの主な特徴
- 高いボールコントロール性能
- コントロール系ラケットの中ではやや大きめな100インチのフェイスサイズ
- フラットドライブ系のショットが打ちやすい
- しなり感が強い
しなる100インチ系ラケット
フェイスがやや大きいのでプレステージよりはボールが飛び、回転もかかり、なおかつフレームがしなりやすいコントロール系シリーズという感じですね。
また、スイートスポットの位置が従来のラケットと比べて僅かに上部に設定されており、よりフェイスの先の方でボールを捉えてヒッティングする現代テニスに合った調整がなされています。

表裏でペイントカラーが異なるのもグラビティの特徴。
2021年からはルブレフも使用を公表しているし、ますます使用者が増えそう!
グラビティシリーズの売れ線は「TOUR」と「MP」。
TOURは高いコントロール性能と超スピードの速球の打ちやすさが魅力の攻撃型ラケットで、MPはボールが飛びやすく回転もかけやすい中級者向けモデルです。
★TOUR
★MP
インプレ記事はこちら↓
グラビティ PRO(100インチ/315g)
グラビティTOUR(100インチ/305g)
グラビティMP(100インチ/295g)
グラビティ MP Lite(100インチ/280g)
グラビティ S(104インチ/285g)
ラジカル:ヘッドの中で最もオールラウンドなバランス型
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ラジカルシリーズを使用する(したことのある)主なプロテニス選手一覧
☑このシリーズが向いている人
- パワーとコントロールのバランスを重視する中級~中上級者
- フラット~フラットドライブ系のショットが主な人
ラジカルはプレステージ同様に30年近い歴史のあるヘッドの看板シリーズで、アガシやマレーが愛用していることで有名です。(1993年誕生)
ヘッド・ラジカルの主な特徴
- ボールを飛ばすパワーとショットのコントロール性能のバランスが良い
- やや打ちごたえのある打感
- フラット~フラットドライブ系のショットが打ちやすい
- イメージカラー:オレンジ
中堅プレーヤー向けのクセのない使用感
ボールが飛びすぎず飛ばなすぎずのちょうどいい反発力と、どのショットもそつなく打ちやすいクセのなさがなによりの魅力。
コントロールもパワーも両方欲しいという中堅プレーヤーに最も合ったラケットだと言えます。

ヘッドのラケット使用率はラジカルとスピードが最も高い!
ラジカルシリーズの人気機種は「MP」であり、2021年現在シュワルツマンやテイラー・フリッツなどが使用中。
最新の2021モデルは以前のシリーズよりも少しパワーを抑えコントロール性能を高めた印象です。
★ラジカル MP 2021
ブーン:2022年発売のヘッドの期待の新作シリーズ
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ブーンシリーズを使用する(したことのある)主なプロテニス選手一覧
☑このシリーズが向いている人
- パワーとコントロールのバランスを重視するプレイヤー
- ホールド感(球持ち感)を重視する人
- フラット~フラットドライブ系のショットが主な人
ブーンは2022年1月に発売されたヘッドの新作シリーズです。
ヘッド・ブーンの主な特徴
- パワーのあるフレームとしなりやすいシャフトを融合させた設計
- ホールド感(球持ち感)の強い打ち心地
- フラット~フラットドライブ系のショットが打ちやすい
- イメージカラー:ミントブルー
フェイス面でボールを飛ばし、シャフト部分でしなり・球持ち感を生み出す
シリーズのコンセプトは「飛びとコントロール性能のバランス」。
以下のような設計になっています。
フレーム部分には厚みを持たせ、フェイスも先端方向に向けて膨らむような形状にしている
⇒ボールを飛ばすパワーとガットのたわみから生じるソフトな打ち心地を実現
・シャフト部分は柔らかくしなりやすい薄めのボックス形状にしている
⇒ガットがボールを掴むホールド感(球持ち感)を向上させ、ボールコントロール性能を向上
ラジカルと似たコンセプトですが、先述したようにラジカル2021は飛びを抑えてコントロール系に寄ったので、ブーンの方がよりパワーがあるバランス型という位置付けとなっています。

打感に関しても、ラジカルがちょい硬め、ブーンが柔らかくホールドする系という感じで違いがある。
球質はどちらもフラットドライブ系が打ちやすい仕様。
ラインナップは100インチ/295gの「MP」と98インチ/310gの「プロ」の2つ。
MPは少し標準より軽くてスイングしやすく操作性が良いタイプ。
プロはMPより面が小さく重いので、よりハードヒットしたいプレイヤーに向いています。
★MP
★プロ
ヘッドのテニスラケットのおすすめの選び方まとめ
ヘッドのテニスラケットのシリーズの特徴を解説していきました。
選び方をおさらいすると以下のようになります。
プレステージ | コントロール、フィーリング重視のパワフルな上級者 |
グラビティ | コントロール、しなり重視の中上級~上級者 |
ラジカル | クセのないオールラウンドさを重視する中級~中上級者 |
スピード | スピンとコントロールを重視する中級~中上級者 |
ブーン | パワーとコントロールのバランスを重視するプレイヤー |
エクストリーム | スピン重視のプレーヤー |
冒頭でもお伝えした通り、ヘッドはシリーズによって細かく性能差が分かれているので、他社と比べてピンポイントで自分に合ったモデルを見つけやすいところが良いなと思います。
色々試打した感想などもまとめているので、もっとモデルごとの性能を詳しく知りたい方は覗いてみてください。
ではでは、今回はこの辺で(‘ω’)ノ